難病で前例なき手術も…「おまえが第1号になれ」 DeNA三嶋を奮い立たせた言葉
2月のキャンプは「初日からブルペンに入る気持ちでいます」
三嶋の手術は、前例のない新しい術式で行われた。そもそも症例自体が少なく、リハビリは試行錯誤の連続だった。「経験者の南昌輝さん(元ロッテ投手)、井坂亮平さん(元楽天投手)らに連絡を取り、お話をうかがいましたが、この病気は症状が人によって様々。症状が全くなくなったという方は1人もいなかったです」と振り返る。元ソフトバンク投手の大隣憲司氏(現ロッテ2軍投手コーチ)は手術後に1軍復帰を果たしたが、手術前の輝きを取り戻し長年活躍した例はない──。そんな現実が重くのしかったこともあった。
そこで「おまえが“第1号”になれ」とゲキを飛ばしたのが、現役時代から師と仰ぐ三浦大輔監督。三嶋も「はなからそのつもりです」と闘志をかきたてた。「リハビリは苦しくなかったです。手術前は筋力が半分以下に落ちて、ジョギングをするのもしんどかったのですが、リハビリは動かせなかったところが少しずつ動かせるようになっていくので、楽しかったです」とうなずいた。
2月のキャンプへ向けて「まずは初日から健常者と一緒にやれるように。体と相談しながらですが、初日からブルペンに入る気持ちでいます。スタートって大事だと思うし、今までずっとそうしてきましたから」と徐々に気持ちを高めているところだ。
「黄色靭帯骨化症になってしまった人たち、これからなる人たちの希望にならなければいけないと思っています。僕が活躍すれば、それが成功例になる。手術前より良くなったと言われるくらいのパフォーマンスを見せて、みんなをびっくりさせたい」と今年の抱負を語る右腕。過去に誰も描いたことのない復活ストーリーを綴っていくつもりだ。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)