国歌に涙も、ブチギレ姿も「それが森保」 野球界の“親友”がW杯前に送ったメール

長きにわたり広島の主軸として活躍した野村謙二郎氏【写真:本人提供】
長きにわたり広島の主軸として活躍した野村謙二郎氏【写真:本人提供】

印象に残る佐々木主浩からの一発「狙って打った」

 いろいろあった現役時代。「ヤクルト戦で延長になった時、ベンチ裏で音(重鎮)さんに『腹減ったよ、なげーよ、謙二郎、もう決めてくれよ』って言われて『ホント長いですよね、じゃあ、決めてくるわ、狙ってくるわ、一発』って冗談で言ったらホントにサヨナラホームラン。予告ホームラン。すげーなって言われたのは覚えている。狙ってないし、なんで打てたのかはわからないけどね」。

 巨人・桑田真澄投手との対決も印象的だという。「会心の当たりで、完璧なセンター前と思ったら桑田にジャンプして捕られた。なんだこいつって思ったりとかね」。横浜の大魔神・佐々木主浩投手から放ったホームランも忘れられない。「ほとんど打ってないから覚えている。スリーボール、ワンストライクからあたかも1球、見送りますよってふりをして、真っ直ぐ1本に絞って狙って打った。追い込まれたら打てないからね」。

 野村氏は2005年に現役を引退。2010年シーズンから5年間、広島監督を務めた。その時もいろんな出来事があった。それこそ簡単に振り返られるものではない。実に中身の濃い5年間だったが、今回は特に印象深いベスト3を挙げてもらった。その中には「生きた心地がしなかった」ものも……。(続く)

(山口真司 / Shinji Yamaguchi)

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