驚異の日ハム「投手再生工場」 故障中に獲得→守護神も…鋭い能力の“見極め”

肩の故障を承知で獲得…その後クローザーまでになった例も

 同じくヤクルトからの加入で活躍しているのが、杉浦稔大投手だ。2017年のシーズン中に屋宜照悟投手とのトレードで加入したものの、この年は1軍登板がなかった。ただこれは、右肩を痛めているのを承知で獲得したためだった。

 2018年には1軍3試合に先発し2勝0敗、防御率2.84。登板間隔を空ける必要はあったものの、2020年には主に先発として7勝5敗1セーブの好成績を残した。2021年にはクローザーに転向して28セーブを挙げた。昨季は先発に戻り3勝6敗。故障で出遅れたのが響いた。

 巨人から加入した左腕・公文克彦投手もリリーフで活躍した。2016年のオフに吉川光夫投手らとのトレードで獲得すると、2017年に41試合、2018年に61試合、2019年に57試合に投げブルペンを支えた。

 前所属では出番を得られていないが、能力を秘めた投手の発掘に長けていると言えるだろう。逆に、能力の“見切り”も鮮やかで、ここに挙げた投手でも古川侑が今オフ現役ドラフトでソフトバンクへ移籍。秋吉は2021年に10試合登板に終わると「ノンテンダー」として放出された。公文も2021年のシーズン中に西武へトレードされた。

 田中の獲得にあたり、稲葉篤紀GMは「ずっと見ていた選手」とコメントしている。2016年のドラフトでは日本ハムも1位入札し、抽選で外した。肩の故障に苦しんだあたりは、杉浦が歩んだ道と似ている。果たして田中の現在をどう評価し、獲得に至ったのか。シーズンでの数字が教えてくれるはずだ。

(Full-Count編集部)

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