あと1勝、続けて逃した甲子園…東海大相模・原俊介監督が出し始めた新監督の“色”
高校野球の現場で7年、今も続く「学びの日々」
負の流れを食い止めるためには、守備で自滅しないことが絶対条件となる。「守りからリズムを作る」と言い続け、就任後は守備での状況判断に力を入れてきた。
「これもまた難しいところで、守備のことを言い過ぎると、攻撃に気持ちを切り替えるのが難しい。もっともっと、相模高校の生徒たちが持っているポテンシャルや底力を発揮できる言葉がけや接し方を、私が学んでいかないといけないと感じています」
高校野球の世界に身を置いてから、7年が経つ。高校野球の監督としてのキャリアはじつはまだ短い。日々の練習や試合、選手との会話の中から、原監督自身も数多くの学びを得ている。
「母校で監督を務め、レベルの高い神奈川で生徒とともに頂点を目指すことができる。重責もありますが、一日一日が充実しています」
アグレッシブな戦いをベースにしたうえで、どのような色を加えていくか。原監督率いる東海大相模の2023年の戦いぶりに注目が集まる。
(大利実 / Minoru Ohtoshi)
○著者プロフィール
大利実(おおとし・みのる)1977年生まれ、神奈川県出身。大学卒業後、スポーツライターの事務所を経て、フリーライターに。中学・高校野球を中心にしたアマチュア野球の取材が主。著書に『高校野球継投論』(竹書房)、企画・構成に『コントロールの極意』(吉見一起著/竹書房)、『導く力-自走する集団作り-』(高松商・長尾健司著/竹書房)など。近著に『高校野球激戦区 神奈川から頂点狙う監督たち』(カンゼン)がある。