救援からの配置転換…西武・平良らは成功するか 先発転向で進化を遂げた投手たち

オリックス・山本由伸【写真:荒川祐史】
オリックス・山本由伸【写真:荒川祐史】

山本由伸は先発転向の2019年から毎年タイトルを獲得

○山本由伸
 高卒1年目の2017年に先発で5試合に登板したが、2年目にリリーフ転向。セットアッパーとして32ホールドを記録した。3年目の2019年に再び先発に転向し、防御率1.95で最優秀防御率を獲得。2020年に最多奪三振のタイトルに輝くと、2021年には最多勝、最優秀防御率、最多奪三振、最高勝率の投手4冠に加え、沢村賞とリーグMVPを受賞した。

 昨年はノーヒットノーランの快挙を達成しただけでなく、投手4冠、沢村賞、リーグMVPの全てを2年連続で受賞する離れ業を演じた。先発転向後の4シーズン全てで何らかの主要タイトルを獲得している。

○榎田大樹
 2010年ドラフト1位で阪神に入団。1年目から62試合に登板し、33ホールドを挙げて即戦力の期待に応えた。2012年も故障がありながら48登板で21ホールドを記録した。2013年に先発に転向して防御率3.61も、2014年以降は安定感を欠いて苦しんだ。

 2018年に西武にトレード移籍し、4年ぶりに先発再転向を果たしたことがひとつの転機となった。序盤からローテーションに定着し、自身初の2桁勝利となる11勝をマーク。10年ぶりのリーグ優勝に貢献した。先発としての活躍期間は短かったものの、32歳にして新たな役割で輝きを放った。

○増井浩俊
 2009年ドラフト5位で日本ハムに入団。1年目の2010年は先発として起用され、2011年にリリーフとしてブレーク。56登板で34ホールド、防御率1.84、奪三振率9.73と活躍した。2012年には73登板で45ホールドを記録し、最優秀中継ぎのタイトルに輝いた。その後もリリーフとしてフル回転。2014年途中に抑えを任され、2015年には39セーブ、防御率1.50、奪三振率10.6を記録した。

 2016年はシーズン途中に先発転向。自身初の2桁勝利を挙げ、リーグ優勝と日本一に大きく貢献した。また、先発転向の翌年に再びリリーフに戻って以前と同様の活躍を見せた点も、特異な部分といえよう。

 2023年に先発へ挑戦する投手たちの中から、今回紹介したような「成功例」は現れるだろうか。先発転向が山本や千賀のような大エースを生むケースも存在するだけに、各投手の配置転換の成否は、今後に向けても非常に大きな要素となるはずだ。

(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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