MLBで失った“長所” 復帰1年目でタイトルの前例も…有原航平、復活の条件
MLBでは与四球率が“悪化”…昨年は4.95だった
それに伴い、三振数を四球で割って求める指標「K/BB」も向上。一般的に3.50を上回れば優秀とされる中で、2018年以降は3年連続でその基準を上回った。特に、2018年のK/BBは5.80と非常に優秀で、2019年のK/BBも4.03とハイレベル。防御率2.94をマークした2016年のK/BBが2.71にとどまっていたことを考えれば、2019年は当時以上に投球内容が向上を見せていたと考えられる。
一方、MLBでの与四球率は2021年が2.88、2022年が4.95と、強みの一つである制球力が消えていた点が気がかり。本来の制球力を取り戻せるかが、復活への鍵となりそうだ。
今オフは大型補強を敢行しているソフトバンクだが、最大の課題は2016年から7年連続で2桁勝利を記録していた千賀滉大投手の穴をどうカバーするかだろう。NPBでの6年間全てで100イニング以上を投げ、規定投球回に4度到達している有原には、四球の少なさや豊富な球種を生かした引き出しの多さといった持ち味を発揮し、その穴を最小限に食い止める役割が期待されるところだ。
また、チームには早大の先輩にあたる和田毅投手がMLBからの復帰1年目(2016年)に15勝を挙げ、最多勝と最高勝率の2冠を獲得したという“先例”もある。有原も肩の故障を乗り越え、先輩のような活躍を見せられるかに注目だ。
(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)