1軍にのまれ痛恨失策…散々だったデビュー戦　西武・中山誠吾が繰り返す“自問自答”

身長190センチの大型遊撃手と期待も…ルーキーイヤーは1試合止まり

　身長190センチの大型遊撃手として期待されたルーキーの1年目は、わずか1試合出場という結果に終わった。白鴎大から2021年ドラフト6位で西武に入団した中山誠吾内野手。やはりぶつかったプロの壁に「生半可な気持ちでは活躍できないと分かったし、もっと野球に真剣になったほうがいいと思いました」と足もとを見つめる。

　父は社会人野球でプレーし、遊撃を守っていた。父を超えることを目標に、自身も青藍泰斗高（栃木）時代まで遊撃だったが、大学ではチーム事情で一塁や三塁を守った。2年秋に最多打点、3年秋には本塁打王を獲得。大学日本代表候補にも選出され、注目を集める存在になった。打撃の転機は、大学の2年先輩である大下誠一郎内野手（現・ロッテ）の助言だった。

「『お前は上（プロ）でやりたいんだろ？　だったらもっと太くしないと。太くなって、それでも動けて一人前だと思うぞ』と言われ、2年の夏に増量をして、そこから長打が増えました。当時はファーストを守っていましたが、ショートだったら『動けなくなるから』という理由で増量しなかったかもしれないです」

　白米は寮にあったため、自分でおかずを作るなどして1日6食の生活を送り、体重85キロから10キロ以上増やした。4年時からは遊撃を守ったが「この体格なのでショートではないと思われているし、動けなくて球際に弱いと『その程度か』と言われてしまう」と、練習を重ね、グラブさばきに磨きをかけた。

　そして、父の果たせなかったプロ入りを掴んだ。「ほっとした」というが、西武の遊撃には球界屈指の名手、源田壮亮内野手がいる。「高校でも大学でも、年上は上手く見えた。最初は絶対に追いつけないけど、自分のやってきたことを続けていくだけ」と覚悟を決めた。

　昨年5月7日の日本ハム戦（ベルーナドーム）で、1軍初出場初スタメン。源田が怪我で1軍の登録を抹消され巡ってきたチャンスだったが、逆転につながる失策を犯し、打っても3打数無安打と悔しいデビューになった。

「テレビで見ていた選手が周りでプレーしていて、人生で一番緊張しました。1軍に上がると言われたのが前日の夜11時くらいで、全く心の準備ができていなかった。気持ちで負けていました」