体罰で監督解任の東海大菅生、歓声なき選抜決定 校長は陳謝「あってはならないこと」
上田新監督「気持ちを1つに、ワンチームで臨みたい」
監督解任騒動に揺れる東海大菅生高(東京)が27日、第95回選抜高校野球大会に2年ぶり5回目の出場を決めた。昨秋の東京都大会を制した時点で選抜出場を決定的にしていたがその後、若林弘泰前監督の部員に対する暴力が発覚していた。若林前監督は日本学生野球協会から4か月の謹慎処分を受けたが、26日になって学校側が解任を発表。2016年からコーチを務めていた上田崇氏が監督に昇格し指揮を執る。
選抜出場を知った部員たちに、ガッツポーズも歓声もなかった。モニター越しに発表を見守り、5度目の選抜出場を知った。
直後、峰岸英仁校長はナインへ向けて「今回は、あってはならないことがありましたが、東京代表として選出していただいたことに、校長として深く深く感謝しています。部員の皆さんが評価されたということ。新体制の下、しっかり準備して、甲子園で菅生らしい、さわやかなプレーを見せてほしい」と語りかけた。
また、会見した上田新監督は「選抜大会では東京代表として全力でプレーすることができるように、選手、スタッフが気持ちを1つにして、ワンチームで臨みたい」と語った。主将の渡部奏楽(そら)内野手(2年)は「全員で胸を張って一戦一戦を戦い、優勝を目指したいと思います」と話した。
過去には春4回、夏4回の甲子園出場を果たしており、そのうち春2回、夏2回は若林前監督の下で達成。過去最高は、2017年夏の準決勝進出、春では2021年の準々決勝進出で、いずれも若林監督時代だ。選手は大きなハンディを背負った状況から、初の全国制覇を狙うことになる。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)