“選抜優勝投手”は大成している? 野手転向、戦力外、メジャー挑戦と波乱万丈

“選抜優勝投手”は大成しているのか【写真:荒川祐史、ロイター】
“選抜優勝投手”は大成しているのか【写真:荒川祐史、ロイター】

「大阪桐蔭の優勝投手」が揃って転機を迎えた今オフ

 3月18日に甲子園球場で開幕する「第95回選抜高校野球大会」に出場する36校が、27日発表された。「甲子園の優勝投手は大成しない」とはよく言われる言葉だが、実際はどうなのだろうか。2002年以降の(2020年は中止)の選抜大会で優勝に貢献し、プロの世界に進んだ投手の成績を検証する。

 今オフ、大きな転機を迎えた選抜優勝投手は多い。2012年の大阪桐蔭には、藤浪晋太郎投手と澤田圭佑投手がいた。藤浪は阪神入りして、いきなり3年連続の2桁勝利と華々しいデビュー。ただその後は制球難に苦しみ、成績を落とした。そしてこのオフ、ポスティングシステムによるメジャー移籍を認められ、アスレチックスと無事契約を結んだ。一方の澤田は、立大経由でオリックス入り、リリーフとして活躍したものの、昨季は肘の手術を受けそのまま戦力外に。ロッテに育成選手として入団し再起を期す。

 同じく大阪桐蔭の2018年組も、波乱万丈だ。根尾昂投手は中日入り。当初は内野手としてプレーしたが打力を伸ばせず外野へ。そして昨季途中からは投手に戻り、25試合で1ホールド、防御率3.41。150キロ台の速球を連発し可能性を見せた。今季は開幕から投手として勝負する。日本ハム入りした柿木蓮投手は、昨季4年目でプロ初登板を記録したものの、オフには戦力外通告を経て育成選手に。巨人入りした横川凱投手も、ここまで1軍登板は5試合で、今オフは2度目の育成落ちを経験している。

 他にも2005年、愛工大名電が優勝した際に在籍していた十亀剣投手は大学、社会人を経て西武入り。先発とリリーフの両面で活躍し、通算53勝50敗3セーブ。昨季限りで現役を退いた。

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