清原和博はスターでも「自分は自分」 選抜出場の次男・勝児が徹する“役割”
清原和博氏の次男・勝児「個人というよりチームで勝ちたい」
慶応(神奈川)が27日、第95回選抜高校野球大会に出場することが決まった。かつて西武・巨人などで活躍した清原和博氏を父に持つ勝児(かつじ)内野手(1年)は「夢の舞台だったので、プレーできるのが嬉しい」と喜んだ。“甲子園のスター”の息子だけに一躍注目の的だが、「自分のできるプレーに専念したい」と地に足の着いた言葉を残している。
昨秋は主に「7番・三塁」で試合に出場し、関東大会1回戦の常磐大戦では勝ち越し2ランを放つなど、4強進出に貢献した。この日、選考会で慶応の名前が呼ばれると、笑みを浮かべた。父が3年夏に出場してから38年、次男が甲子園に足を踏みいれる。目標は日本一。ただ「個人というよりチームで勝ちたい」と、あくまでチームバッティングに徹する覚悟だ。
関東大会では打撃に課題を感じ、冬場には磨きをかけてきた。準決勝の専大松戸(千葉)戦では、最速151キロのプロ注目右腕・平野大地投手(2年)と対戦する場面もあった。10回に2点ビハインドで回ってきた第5打席では遊ゴロに倒れて最後の打者となっていた。
「平野君と対戦して、スイングスピードが足りないと感じたので、冬場はスイングや体のキレを増やす練習をやってきました」
チームでは“盛り上げ役”も務める。甲子園では「チームを勇気づけるプレーをしたいです」と宣言した。大村昊澄(そらと)主将も「常に笑顔で、チームにプラスを持ってきてくれる」とユニークなキャラクターに太鼓判だ。
父・和博氏はPL学園時代、1983年夏から甲子園に5季連続出場し、史上最多となる通算13本の本塁打を放ったスターでもある。「お父さんは凄い活躍しているんですけど、自分は自分なので、自分のできるプレーに専念したいです」。2か月後、聖地でどんなプレーを見せるのか。「清原」コールに湧くスタンドを、誰もが待ちわびている。
(上野明洸 / Akihiro Ueno)