入学後に約20kg“減量” 「冬のMVP」認定…名門・鳴門に刺激を与える162cmの1年生
中学時代は84キロだった体重が66キロに「体形の変化に驚かれます」
本田の野球ノートの表紙には「限界を超えていく」と記されている。中学時代は最大84キロまで体重を増やし野手としてプレー。3年時に原因不明のスランプに陥ったことがきっかけで、「きついところでもう一度鍛え直したい」と思い進学先を鳴門に決めた。
入学後は黙々と練習に励み、階段ダッシュでは自己平均タイムをチーム最大の5秒ほど縮めた。さらに「いろんな人に体形の変化を驚かれます。今の体重は66キロです。ここまで頑張れるんだなって(自分も)驚いてます」と笑顔をみせた。目に見える形で練習の成果が出てきている。
マネジャーの乾笑花さん(2年)は、計測したタイムの記録を通して「一生懸命頑張れば成長するということを感じられました」という。普段の練習中に「本田に負けるなよー!」という檄をよく耳にするようになったとも。「1年だけでなく2年も、本田に追い抜かれていなくても、頑張れば結果が出るんだって励まされていると思います」と明かした。
ベンチ入りできなかった選手や下級生の頑張りも、チーム力を高めるためには必要な要素。「下からの突き上げって大事だと思いますね」と森脇監督は目を細めた。昨秋の四国大会では4強に進出したが、第95回記念選抜高校野球大会の代表校には選出されなかった。しかし、夏に向け、力を蓄えている。
○喜岡桜(きおか・さくら)1991年生まれ、香川県出身。北九州市立大在学中の2014年からフリーランスとして執筆活動を開始。主に高校野球や独立リーグなどを取材し、雑誌やWebへ寄稿している。
(喜岡桜 / Sakura Kioka)