原監督が新人王・大勢に送った“刺客” キューバ剛腕との争いは投手陣をどう変える?
昨季巨人のリリーフはリーグ最低の成績に終わった
巨人は29日、5人の新外国人選手の入団会見を都内のホテルで行った。同席した原辰徳監督は前メッツのヨアン・ロペス投手について「大勢とともにクローザー候補」と、試合の最後に投げる役割を争わせる考えを示した。昨季、ルーキーの大勢が37セーブを挙げてクローザーに収まったが、さらなる変動が起きるのか。巨人の今季リリーフ事情を見ていきたい。
原監督は、キューバ出身の剛腕ロペスを「最初の印象では非常に気が強い。戦う姿に好感持ちました。大勢とともにクローザー候補。それくらいの力はある」と高く評価している。ロペスもワールド・ベースボール・クラシック(WBC)キューバ代表の誘いを断り、巨人での1年目に賭けている。
巨人の抑えは昨季、ルーキーの大勢が務めた。57試合で1勝3敗37セーブ、防御率2.05という好成績で新人王を獲得。一見安泰のポジションに見える。
ただ、巨人のリリーフ成績を見ると、セ・リーグ最低の数字が並ぶのだ。セイバーメトリクスで分析などを行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータを参照すると、リリーフ投手の防御率3.78はセ・リーグ最下位。さらに対戦打者に対する奪三振の割合を示す「K%」が18.7%、9イニング当たりの被本塁打を示す「HR9」が0.94で、いずれもセ・リーグ最低なのだ。Bクラスの4位に終わった大きな理由と言えるだろう。
原監督は大勢とロペスの「適性」を探り、クローザーのイスを争わせるつもりだ。敗れたほうがセットアッパーを務めれば、リリーフ陣の層は厚くなる。昨季チーム最多の25ホールドを挙げたのは高梨雄平、続く21ホールドを記録したのは今村信貴でいずれも左腕。右のパワーピッチャーが現れれば渡りに船だ。
ロペスは「いろいろな作戦を立て、速さのある野球を展開する日本野球に加われることに、ワクワクしている」と話した。さらに「同じキューバ出身の中日のビシエド選手と対戦するのも楽しみです」とも。V奪還へ、背負う役割は大きい。
(Full-Count編集部)