キッカケは新型コロナによる大打撃 なぜ鷹は自社メディア事業に力を入れるのか
ソフトバンクが力を入れて事業を進めている「ホークスTV」の背景
2月1日、いよいよ球春が到来する。昨季最終戦でリーグ優勝を逃し、今季は3年ぶりのリーグV奪還と日本一を目指すソフトバンクはA組とB組が宮崎市の生目の杜運動公園で、C組とリハビリ組はファーム本拠地「HAWKS ベースボールパーク筑後」で春季キャンプを行う。日本の頂点を目指す選手たちの長く、険しい1年がいよいよ始まることになる。
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今季こそ優勝が至上命令となるソフトバンクが近年、力を入れている事業がある。球団公式の動画配信サービス「ホークスTV」だ。球団のオウンドメディアとして2021年に発足。1軍の全試合の中継だけでなく、2軍、3軍(今季からは4軍も)のタマスタ筑後での試合中継、オリジナルコンテンツなどを配信する月額900円のサブスクリプションサービスだ。
新聞、テレビ、インターネットとさまざまなメディアがある中で、なぜ球団自らがメディアを立ち上げ、発信するようになったのか。ソフトバンクの井上勲ブランド推進本部本部長兼メディア戦略部部長は「メディアの多様化とコンテンツの多様化によって、昔ほど野球ばかりを取り扱ってもらえない時代になった。であれば、自分たちが自分たちで発信する手段を持つべきだとなった」と、その経緯を語る。
ソフトバンクのオウンドメディアとしての歴史は長い。2005年にダイエーホークスからソフトバンクホークスへと変わり、親会社がIT企業になると、インターネットを活用して球団の魅力をどう発信するかが課題となった。写真やテキストでの情報発信に始まり、ユーストリームやYouTubeの動画配信プラットフォーム、ツイッターやインスタグラムといったSNSも早い段階から積極的に活用してきていた。
それまでは全て無料で配信してきた、こうしたオウンドメディアのサービスが大きな転換点を迎えたのが2021年だった。月額課金制の「ホークスTV」が発足。2軍や3軍の試合中継や、オリジナルの動画コンテンツなどを配信し、昨年からは1軍の全試合も見られるようになった。ソフトバンクにとっては新たなチャレンジだった。