広島戦力外の右腕は「伸びしろがある」 火の国・馬原監督が初日で見抜いた“修正点”
火の国サラマンダーズ・馬原監督、中山、山口のNPB復帰を「手助けできるようにしたい」
独立リーグ・九州アジアリーグ「火の国サラマンダーズ」が1日、熊本・合志市総合運動公園で春季キャンプをスタートした。リーグ3連覇、連続日本一を狙うチームには前ヤクルト・中山翔太外野手、前広島・山口翔投手の“NPB組”が加入。元ソフトバンクの馬原孝浩監督は復帰へのバックアップを約束したが、早くも初日で“修正点”を見つけたようだ。
今シーズンは14人の新戦力が加わり、独立リーグの“常勝軍団”を狙う火の国。なかでも注目を集めているのが、昨年までNPBでプレーした中山、山口だ。初日の練習を終えた馬原監督も「NPBから入ってきた選手は他とは違う。1日でも早くNPBに帰りたい思いが強いので、手助けできるようにしたい」と、サポートを誓った。
指揮官が同じ投手として期待を込めているのが、2017年ドラフト2位で広島に入団した山口。19年に9試合に登板し1勝3敗、防御率4.85も、その後は1軍登板がなく昨年オフに戦力外通告を受けた。150キロを超える直球が最大の武器で23歳と年齢的にも、これから成長を期待できる素材。馬原監督は右腕とコミュニケーション取りながらキャッチボールを見つめ「まだ、本調子じゃない。直すべきところはいくつか僕の頭に入った」と、早くも修正点を見つけたようだ。
肘の角度や体重移動、投球フォームなど具体的なことは言及しなかったが「修正していくと、より質のいいボールが行くと思う。ボールの回転軸や体の使い方など伸びしろはある」と指揮官。通算182セーブを誇る“熊本の大先輩”から指導を受ける山口も「自分はまだフォームが思うように投げられていない。馬原さんの知っていることを全て教わりたい」と、更なるレベルアップを誓った。
昨季は1軍出場がなく、プロ通算73試合で9本塁打に終わった中山についても「体の使い方だったりを見ると体力もありますし期待できる。経験も持っているし、皆を背中で引っ張ってくれるような姿勢を見せて数字にもこだわって欲しい。一番、成績を残した選手と言われるように」と、ハッパをかけた。
NPBへの移籍リミットは7月いっぱい。2人は短期間で結果を残し、生まれ変わった姿を見せることができるだろうか。馬原監督の育成能力にも注目が集まる。
(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)