人的補償で移籍…過去の例はどうだった? 復活した元守護神、後に古巣に戻った選手も
酒居知史、小野郁はいずれも新天地で真価を発揮
○脇谷亮太:巨人→西武
2005年の大学生・社会人ドラフト5巡目で巨人に入団し、1年目から打率.270を記録。2010年には二塁のレギュラーを掴んで規定打席にも到達し、打率.273、28盗塁をマークした。しかし、2011年に故障で長期離脱を余儀なくされ、2012年には育成に。支配下に復帰した2013年は49試合出場にとどまり、オフに片岡治大内野手の人的補償で西武に移籍した。新天地で迎えた2014年は96試合に出場、翌2015年は118試合出場で規定打席未到達ながら打率.294、出塁率.367を記録。同年オフにFAで古巣に復帰した。
○酒居知史:ロッテ→楽天
2016年のドラフト2位でロッテに入団。1年目の2017年は開幕当初こそリリーフで起用されたが先発転向。シーズン終盤は先発陣に定着したが、翌2018年は安定感を欠いた。リリーフに再転向した2019年は史上初となる開幕戦での1球勝利を達成したほか20ホールドをマークした。同年オフに美馬学投手の人的補償で楽天に移籍し、移籍1年目の2020年に46試合で防御率3.65。2021年は28ホールド、防御率2.28の活躍を見せた。
○小野郁:楽天→ロッテ
2014年ドラフト2位で楽天に入団。1年目から1軍のマウンドを踏み、4年目の2018年には2軍で防御率1.86、20セーブでイースタン・リーグの最多セーブを獲得。2019年も2軍で14セーブを記録し、2年連続となる最多セーブに輝いた。同年オフに鈴木大地内野手の人的補償でロッテに移籍した。移籍初年度の2020年に40登板。2021年には49登板で、奪三振率9.76と投球内容も向上。昨年は防御率1.99と安定感抜群の投球を見せ、自身初のオールスター出場も果たした。
岡本、馬原、脇谷は30歳を超えてからの移籍だったが、即戦力としての期待に応えてチームに貢献した。ユウキ、酒居、小野の3選手は移籍前を上回る投球を見せて成長を示し、ポテンシャルを見抜いて獲得を決めたチームの眼力を証明している。5球団競合でドラ1入団も未勝利の田中、昨季15登板の張奕は層の厚さに阻まれて登板機会に恵まれなかったが、移籍をきっかけに新たな「成功例」となれるか。今季の両投手は、さまざまな意味で要注目となりそうだ。
(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)