清宮は「そんなに喜んでいなかった」 “今季1号”の裏に「HRは当たり前」の覚悟
2回無死二塁から弾丸ライナーを右翼席へ運んだ
日本ハムの清宮幸太郎内野手が9日、タピックスタジアム名護で行われた今年初の対外試合・サムスン戦で“今季1号”を放った。強烈な弾丸ライナーで幸先よくプロ6年目をスタートさせたが、本人は喜びは控えめ。実は進塁打のサインが出ていたこともあったが、そのリアクションには主砲の自覚があった。
0-0の2回、先頭の野村が左翼線二塁打で出塁し、清宮が第1打席を迎えた。左投手の内角直球を振り抜くと、打球はあっという間に右翼席に飛び込み「力強い打球が打てたので、うまく打てたかな」と振り返った。
あまり喜んでいないのはなぜだったのか――。実はこれ、進塁打のサインが出ていた場面だった。新庄監督は試合後「走者を進める打撃をしてほしいというところ。結果的にああなったけどプラスに考えて。進塁打といえば進塁打。本人そんなに喜んでいなかったね」と明かしていたが、清宮の心には、もう1つの感情があった。
「ホームランを打ったのはうれしかったです。でも1本打って一喜一憂しないようにというか……。当たり前だよ、くらいの選手にならないとダメだと思う。そういう意識はあります」
気付けばプロ6年目。昨季はキャリアハイとなる129試合出場、打率.219、18本塁打、55打点も、まだまだ満足いく成績ではない。最下位からの浮上へ、自身の打撃が鍵を握ることは誰よりも分かっている。
例え練習試合でも“勝利”を重視する指揮官の方針に「勝ち癖、勝ち方を知ることは凄く大事」と呼応する。清宮にとっても勝負のシーズン。“当たり前”にアーチを積み重ねることが、チームの白星につながっていく。
(町田利衣 / Rie Machida)