「鬼ごっこ」で自然に身につく野球の動き 子どもたちの練習に大切な“遊びの要素”
東農大の勝亦陽一教授が静岡県の少年野球チームで出張指導
少年野球からプロ野球まで幅広いカテゴリーの選手を指導している東京農業大学教授の勝亦陽一さんが、静岡県掛川市の少年野球チーム「グッドフェローズ」で出張指導を行った。パフォーマンス向上に立ち方や体の使い方の大切さなどを説く勝亦さんは楽しみながら上手くなるメニューを考案し、遊びの王道“鬼ごっこ”も少年野球の指導に取り入れている。
1月29日、東京農業大の教授・勝亦さんが指導の依頼を受け、掛川市のグラウンドを訪れた。小学1年生から6年生までが所属するグッドフェローズで、ウォーミングアップを終えた低学年の選手を集めた。
「これから鬼ごっこをします」
勝亦さんの声に子どもたちが沸く。「どんな鬼ごっこですか?」と問われると「野球のダイヤモンドを使います」と笑顔で答えた。
最初は、ベースを結んだ四角形の内側だけを使った鬼ごっこ。全員が、鬼と逃げる役を掛け持ちする。早歩きに限定して、他の人をタッチしながら逃げる。タッチされた人は、その場で5秒間片脚立ちをする。より多くの人をタッチした人が勝ちになる。子どもたちがルールを覚えたら、勝亦さんは片手に柔らかいボールを持たせて、タッチできるのはボールを持っている方の手だけという条件を付け加えた。
「動きを制限したり、ルールの難易度を上げたりすると、子どもたちは上手くいく方法を考えます。野球を始めたばかりの時期は、ボールに触れる時間も大切です」