鷹・城島氏が愛弟子に“激辛エール”「負けたら甲斐のせい」 WBC経験者だから分かる胸中
「いよいよ近づいてきて、彼の表情からも、話す内容からも何か腹括った感じがしました」
ソフトバンクの城島健司会長付き特別アドバイザーが、WBCに出場する甲斐拓也捕手に“激辛エール”を送った。キャンプ第3クール2日目となった12日、この日で一足早くキャンプ地を離れる城島アドバイザーが取材に応じ「さっき会ったので『負けたら甲斐のせいやぞ』って言いました。そのつもりで頑張りますって言っていたし、そのつもりでやるでしょう。いよいよ近づいてきて、彼の表情からも、話す内容からも何か腹括った感じがしました」と語った。
2009年の第2回WBCに正捕手として出場し、金メダルを獲得した経験を持つ城島アドバイザー。自身も経験した道だけに痛いほど、甲斐の心中は分かる。「やる方はそんな『やった! WBCに出られる!』とか思ってはいないと思うんですよ。ドキドキすると思うし。やっぱそれまでは行きたくないなと思いますよ。みんな朝、仕事行きたくないじゃないですか。でも仕事じゃ行かないといけないじゃないですか。休みの日に草野球とかゴルフに行くときは楽しいですよ、早く起きることも。それとは同じ気持ちではいけないんで」と例え話も交えて思いを代弁する。
辛口のエールを飛ばせるのも、甲斐に絶大な信頼を寄せているからこそ。「拓也の強みは五輪に出たということで。国を代表して日の丸を背負って戦うっていうのは一緒なんで、それがあるのとないのでは大違い。他のチームメートにも存在が大きく感じるような捕手じゃないですかね。いることは素晴らしく、心強い、日本の本当に安心感に繋がるぐらいの経験をしてるキャッチャーなので、それは日本の大きな武器だと僕は思います。ってタクに言っといてください。何かもらえるかもしれない(笑)」と、これまでの経験が必ずや武器になるとも城島氏は言う。
「彼の表情からも、話す内容からも、何か腹括った感じがしました。正直、2月最初に話したときは出たくないなみたいな、と気持ちが十分にわかりました。けど、それがよしやるんだっていう覚悟に変わったような。振り返ってみたときに確実に彼の財産になりますし、それがホークスの財産になるのは間違いないんで、もう十分苦しんで、十分悩んで戦い抜いてきてほしいなと思います」と語り、“愛弟子”の活躍を願っていた。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)