戦力外→引退で「恩返し」の裏方転身 DeNA高城俊人ブルペン捕手が歩む第2の人生

引退と裏方転身を決めた理由は、DeNAへの“恩”【写真:町田利衣】
引退と裏方転身を決めた理由は、DeNAへの“恩”【写真:町田利衣】

覚醒期待の左腕は「伸びしろしかない。めっちゃいい球を投げてます」

 引退と裏方転身を決めた理由は、DeNAへの“恩”だった。12球団合同トライアウトは受験しなかったが、DeNAからブルペン捕手の話をもらっていたため、自身でトライアウトから2週間を現役続行を目指す期限と決めていた。NPB以外からの誘いはあったが「この世界にはなかなかいられない。(オリックスを)戦力外になって(DeNAに)獲ってもらって、恩返ししたいと思っていた」と第2の人生を歩むことを決めた。

「強肩強打の凄いやつ」の応援歌とともにファンに愛され、チームのよき兄貴分だった。裏方となった今もそれは変わらない。ブルペン捕手として、昨年まではバッテリーを組んでいた投手陣のことをよく分かっていることもプラス。「キャンプの今の時期は、捕った場所でそのまま止めること。またこういう球だと正直に言うことを意識しています。思ったことは伝える、それが自分の強みだと思うので」と話した。

 そんな高城が今年“覚醒”を期待するのが、3年目を迎えた石川達也投手だ。昨年6月に支配下を勝ち取り、3試合の登板で0勝0敗、防御率8.44の左腕に「あとは体力が付けばですが……」と前置きしつつ「球自体は凄くいい。伸びしろしかない。ホップしているからバットがボールの下に入る。めっちゃいい球を投げていますよ」と絶賛した。

「頼ってもらいたいし、どんなことでも手伝えることがあるなら手伝いたい」と選手に寄り添う高城。恩返しは始まったばかりだ。

○著者プロフィール
町田利衣(まちだ・りえ)
東京都生まれ。慶大を卒業後、スポーツニッポン新聞社に入社。2011年から北海道総局で日本ハムを担当。2014年から東京本社スポーツ部でヤクルト、ロッテ、DeNAなどを担当。2021年10月からFull-Count編集部に所属。

(町田利衣 / Rie Machida)

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