女子選手憧れの舞台に…日本で「ワールドシリーズ」開催へ、ポニー米国トップの想い
キー社長が強調する野球の普及・発展における日本の重要性
アジア・パシフィック地区はもちろん、世界全体を見渡した時、日本が野球の普及・発展に果たす役割の大きさについてキー社長は強調する。
「日本はこれまで野球の発展に大きく貢献してきた国であり、世界を代表する野球大国でもある。第1回女子野球ワールドシリーズの舞台として、これ以上に相応しいところはないでしょう。アジア・パシフィック地区のリーダーとも言える国が女子野球の発展に力を注ぐ姿は、他の国にとっても素晴らしい手本となるはずです。第2回以降の開催地はまだ決まっていませんが、日本で継続的に開催できることを念頭に置きながら精査していきたい。栃木が世界中の女子野球選手が目指す象徴的な場所になることを願っています」
7月31日から8月4日に開催される大会では、15U(中学生以下)とオープン(社会人を含む16歳以上)の2カテゴリーが用意され、合計16チームほどの参加が予定されている。米国、オーストラリア、台湾、フィリピンなどが参加を表明。キー社長は「ヨーロッパからの参加も呼び掛けたい」と話す。開催期間中には試合だけではなく、参加者同士の親睦を深める国際交流イベントも計画されているそうだ。
「女子選手にとってワールドシリーズという舞台でプレーすることも大切な経験であると同時に、世界各地で同じように野球を愛する仲間に出会えることも大きな宝物になるはず。ポニーは野球を通じて子どもたちが人として成長する機会を作り、サポートする団体でもあります。プロになれるのは一握りの選手たちですが、大人になっても野球を好きだという気持ちを失わず、また次の世代にバトンを繋ぎ続けていくことを願っています」
人間形成に重点を置く方針は「Protect Our Nation’s Youth(国の宝でもある青少年の成長を守ろう)」というポニーの理念にも示されている。多様性を認め、個性を尊重しようという近年の価値観にも合致したものだが、キー社長はこう胸を張る。
「ポニーの理念は今から72年前、1951年にペンシルベニア州の子どもたちが考えたものです。先見の明があると思いませんか? 時代が移り変わっても、この価値観は変わりません。世界のどこにいても、子どもたちが健やかに成長できる場を、野球を通じて提供していきたいと思います」
7月、世界各地から栃木県に集まる女子選手たちの笑顔が楽しみだ。
(佐藤直子 / Naoko Sato)