侍投手陣の大問題…WBC球への“対応力”に明暗「まだ難しい」「力強く投げられた」
第2回大会で日本代表投手コーチを務めた山田久志氏からの助言
宮城はWBC使用球には「慣れてはきましたが、対打者となると、まだ難しいというか、慣れ切っていないところがあるのかな。真っ直ぐは打者の手元で弱さを感じるので、(NPB使用球と)同じ強さで投げられるようにしたい」と現状では違和感を拭えないようだ。
チームのOBで、2009年に第2回WBCを制した日本代表で投手コーチを務めた山田久志氏から、「環境が変わるとボールがよく滑ったりする」と教わり、「自分で何とかしていくしかない」と激励されたという。
5回に登場した宇田川は3者凡退に抑え、3人目の杉澤龍外野手を見逃し三振に仕留めて締めた。WBC球にも「指にかかる感じがありました」と手応えを口にする。しかし、春季キャンプ序盤のブルペンでは、得意のフォークがWBC使用球に限って落ちず、試行錯誤。侍ジャパンのブルペンコーチも務める厚澤和幸投手コーチの指導で、NPB使用球とWBC使用球を交互に投げながら感触を模索するひと幕もあったほどだ。
本番開始まで20日あまり。過去には、使用球に馴染めず国際大会で実力を発揮できなかった例は枚挙にいとまがない。オリックスの3投手は残りわずかな調整期間を有効に使うことができるだろうか。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)