清宮幸太郎は「30本塁打以上打つかも」 初キャンプ取材…井口資仁氏の“イチオシ”

日本ハム・清宮幸太郎【写真:荒川祐史】
日本ハム・清宮幸太郎【写真:荒川祐史】

WBC公式球も問題なし、順調仕上がりの佐々木朗希に太鼓判

 パ・リーグでは、新庄剛志監督率いる日本ハムがいい雰囲気のキャンプを送っていました。「優勝は目指さない」とした昨シーズンから一変し、今季は「優勝だけを目指す」と話し、最初の50試合でのスタートダッシュを宣言。キャンプ初日から紅白戦を実施したことも、選手の意識を変えるのに大きな効果があったと思います。

 僕も監督2年目だった2019年、キャンプイン当日に紅白戦をしたことがあります。勝てるチームを作る上で大切なのは、選手がそれぞれ勝利への執念とプロ意識を持つこと。しっかり自主トレをしてキャンプインには戦える体に仕上げていることはプロなら当たり前。紅白戦でチーム内に競争意識が生まれたことも良かったと思います。新庄監督も同じ狙いがあったのではないでしょうか。

 昨季体重を絞ってキャリアハイの成績を残した清宮幸太郎は、この春もしっかりと自分のスイングでバットを振れているようです。なかなか破れなかった殻から、ついに抜け出した感じがしますね。ひょっとすると今季は30本塁打以上打つかもしれません。

 ロッテは15日のヤクルトとの練習試合を見ました。(佐々木)朗希はWBCに向けてしっかり仕上げてきましたね。昨年11月の親善試合ではWBC公式球にまだ慣れていない様子でしたが、もう全く問題ないでしょう。ボールに指が掛かっていたし、思い通りに操れているようです。侍ジャパンではどんな役割を任されるのか分かりませんが、日本のために活躍してくれるはずです。

 打線では山口航輝が頼もしく見えました。同じ楽天戦の第1打席、ファウルをした後にキッチリ捉えて左中間へホームラン。迷いなく自分のスイングができています。打者は来た球に反応することも大事ですが、まずは自分のスイングを固めることが大事。山口は自分の基礎となる形が見えてきているのでしょう。今年も期待していいと思います。

 もう一頑張りしてほしいのが安田尚憲です。山口や清宮とは対照的に、まだバットを振らされている感じがある。自分のスイングが固まっていないため、どうしても軸がブレてしまいますし、迷いが出てしまいます。安田が秘める才能は非常に素晴らしいものがある。これは誰もが認めるところ。可能性を開花しきれていない歯がゆさがありますが、プロ6年目の今年、一皮むけるかどうかは彼次第。少し穏やかな部分があるので、練習でも試合でもガツガツと貪欲に進んでほしいと思います。

 日本のキャンプ取材を終えたら、3月はメジャーのキャンプ取材に出掛けます。懐かしい顔にも会えそうで楽しみです。次回はメジャーのキャンプ事情をお届けします。

(佐藤直子 / Naoko Sato)

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