短所や課題をあえて“放置” 悩む選手がいても「すぐに指摘するのは逆効果」なワケ

元鷹の投手コーチ倉野信次氏も長所を全面に伸ばす指導が基本

 短所を考え過ぎない大切さを説く指導者は、木村さん以外にもいる。2021年までソフトバンクで投手コーチを13年間務め、今シーズンはレンジャーズ傘下マイナーのルーキーリーグ育成コーチに就任した倉野信次さんだ。プロ1年目の千賀滉大投手を指導するなど、若手投手の育成に定評がある。

 倉野さんも課題の修正よりも、選手の長所を伸ばす指導を基本としていた。新人選手には、キャンプでもオープン戦でも課題を指摘しないという。シーズンが始まってしばらく経ち、選手が“壁”に直面して初めて課題を意識させる。

「指導者は選手の短所に目がいってしまいがちですが、すぐに指摘するのは逆効果です。長所が消えてしまいます。長所と短所を整理して、長所を全面的に伸ばす方法が指導の基本です」

 目に見える短所は気になって、選手も指導者も直したくなる。しかし、部分的な修正でも全体に影響する。課題の解決に力を注ぐよりも、得意な動きや長所を伸ばして選手としての価値を高める方法もある。

(First-Pitch編集部)

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