小、中学生に「ハングリー精神は不要」 “楽しい”が最優先…避けたい「NGワード」
今季は米国で育成コーチを務める倉野信次氏…指導者のNGワードは「何でできない」
ソフトバンクで13年間投手コーチを務め、今季はレンジャーズ傘下マイナーでルーキーリーグの育成コーチに就く倉野信次さんは小、中学生にハングリー精神は不要と訴える。上手くなる楽しさを指導者が伝えられれば、選手は自ら練習するようになるという。
メッツの千賀滉大投手を新人時代から指導するなど、倉野さんは豊富な経験を持つ。シーズンオフに講演活動をすると、小、中学生を指導する監督やコーチから選手の育成方法に関する相談を受けるという。
倉野さんが強調するのは「小、中学生にハングリー精神は必要ない」ということだ。大切なのは、いかに野球の楽しさを伝えるか。ただ、その楽しさは声を出して笑う種類のものではない。
「言葉や練習メニューで野球が上達する楽しさを伝えれば、選手は向上心が芽生えて自ら練習するようになります。上手くなりたくてグラウンドに来るので、体力的にきつい練習があっても苦痛には感じないはずです」
選手から野球の楽しさを奪う指導者のNGワードに挙げるのが「何でできない」という一言。ストライクが入らない、バントを失敗するといった結果だけを評価する指導者に「一生懸命プレーした結果を責めると選手のモチベーションは下がります。結果が出なかったのは、その時点で力が達していなかっただけです」と警鐘を鳴らす。