「メジャーの打者でも簡単には…」　ダルビッシュも仰天…村上宗隆の驚弾生む“資質”

内角ボールゾーンからの“フロントドア”を一閃、スタンドへ

　3月に行われるワールド・ベースボール・クラシック（WBC）に挑む侍ジャパンの宮崎キャンプは21日、パドレスのダルビッシュ有投手が初めて実戦形式の練習「ライブBP」で登板。スタンドに詰めかけたファン、侍首脳陣、報道陣らが固唾を飲んで見守る中、昨季史上最年少で3冠王に輝いたヤクルト・村上宗隆内野手が、バックスクリーンへ飛び込む1発を放った。ダルビッシュから「いずれメジャーへ行く可能性もあり、日本の打者の評価を変えられる選手だと思います」と最大級の賛辞を送られた“村神様”の、どこが超メジャー級なのか？

　ダルビッシュ登板の相手打者役には、多くの侍戦士が立候補。その中から村上、大城卓三捕手（巨人）、近藤健介外野手（ソフトバンク）、岡本和真内野手（巨人）、牧秀悟内野手（DeNA）の5人が選ばれ、打席に立つ栄誉を得た。1人当たり約4球の割り当てで、先頭が村上だった。

　1球目はストレートを空振り、2球目はボール、3球目にストライクのスライダーを見送った後、4球目のツーシームを一閃。打球はスタンドのどよめきをよそに、バックスクリーンへ飛び込んだ。

　打たれたダルビッシュは「インコースから（ストライクゾーンへ）入れようとして、ちょっと真ん中高めに浮きましたけれど、メジャーの打者でもそんなに簡単には打てない球。よくてファウルという感じでした。それを1発で芯でとらえたのには、びっくりしました」と仰天した。

　ダルビッシュが投じたのは、左打者の内角のボールゾーンからストライクゾーンへ飛び込んでいくイメージで、メジャーで“フロントドア”と呼ばれる球。そうでなくても、メジャーの一流どころのツーシーム系は総じて、速くて威力があり、おまけに曲がりも大きい。

　極端なところでは、侍ジャパンと準決勝以降に対戦する可能性のあるドミニカ共和国の右腕、サンディ・アルカンタラ投手（マーリンズ）のシンカーは、100マイル（約161キロ）で約48センチ曲がるとされている。