「メジャーの打者でも簡単には…」 ダルビッシュも仰天…村上宗隆の驚弾生む“資質”

メジャー投手との対戦…「打者の能力に任せるしかない」という不安も

 栗山英樹監督は「(メジャーの投手は)ツーシーム系を使ってくる。どこから曲がったらボールになるかとか、そういう判断基準を選手それぞれが持つしかない。申し訳ないけれど、その対応は打者の能力に任せるしかない。練習はできないので」と一抹の不安を抱いているが、4番候補「本命」の村上が一振りで払拭した格好だ。

 もっとも、村上自身はツーシームに対して「動くボールを投げる投手は日本にもいるので、初めて見たわけではない。普段と変わらずに打席に立ちました。打撃で一番大事なのは、タイミングだと思っていて、外国人投手と対戦するからどうこうというのはない」と自然体を強調。「ダルビッシュさんは1打席勝負にきていましたし、僕も試合同様、カウント1-2と追い込まれての対応をしただけです」と語った。

 一方で「正直に言うと、昨日の夜から(ダルビッシュについて)対策を練っていました」とニヤリ。「投げ方も、球が速いことも、スライダーが曲がることもわかっていたので、タイミングの取り方などを考えました。結果が出たので、間違っていなかったのだと思います」とうなずいた。

 5人の打者と一巡り対戦を終えたダルビッシュは、既に想定の20球を超えていたものの、「村上君、もう1回いいですか?」と“リベンジマッチ”を所望。村上は「ダルさんが悔しそうな顔をしていたので、(もう1回が)来そうだなと思って、隠れていたのですが……」と苦笑いしつつ応じた。

 1球目はカットボール系に詰まり一ゴロ。2球目には外角のスライダーを左前打。またもやダルビッシュを「しっかり待って逆方向に軽打した。本人が『外からスライダーが来ると思いました』と言っていたので、頭がいいなと思いました」と感心させた。読みも冴えていたわけだ。

 WBCだけでなくレギュラーシーズンに入れば、3冠王&日本人歴代最多の56本塁打を記録した村上は、相手の徹底マークや例年以上に本塁打を求られる雰囲気、打って当たり前という視線など、様々なものと戦わなければならない。「自分に負けないことが、今シーズンは大事になると思います。基礎、基本を毎日繰り返すことが成長につながると思うので、自分に負けないように頑張りたい」と重圧と正面から向き合う構えだ。もうこれ以上はないと思われた昨年にも増して、周囲の度肝を抜く活躍を見せてくれるかもしれない。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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