専門家が絶賛「巨人・大勢に近い力強さ」 “遅咲き”ドラ2は「期待通りの即戦力」
楽天のドラ2、小孫竜二に五十嵐亮太氏が熱視線「どの球も1軍で通用」
楽天のドラフト2位・小孫竜二投手が22日、遠征先のAgreスタジアム北谷でブルペン投球を行った。捕手の斜め後ろから熱視線を送ったのが、ヤクルトやソフトバンク、メジャーで活躍した野球評論家の五十嵐亮太氏だ。社会人から加わった25歳右腕のピッチングを食い入るように見つめると「素晴らしい。プルペンを見た限り、持ち球一つ一つにキレがあった。即戦力として期待できますね」と声を弾ませた。
小孫はこの日、ドラフト1位の荘司康誠投手と並んでブルペン入り。高さを生かしたピッチングを披露する荘司に対し、力強さと安定感のあるフォームで魅せた。
「下半身がしっかりしていて、上半身との連動もスムーズ。ボールに無駄なく力が伝わる投げ方をしています。それぞれの球種でスピン量やスピンの角度が一定している。真っ直ぐ、変化の角度が違うスライダー、フォーク、カーブを投げていたと思いますが、どの球も1軍で通用すると思います。あとは経験を重ねながら、プロでの配球を覚えるだけでしょう」
キャッチャーのミットから「パシーン」と力強く、乾いた音が鳴り響く。気迫あふれる姿は新人とは思えないほどの落ち着き。五十嵐氏は「巨人の大勢投手に近い力強さがある。ボールにうまく体重が乗るのはタイミングがしっかり合っているから、体のひねりやリリース、そういった全てがハマっているんでしょうね」。
高校時代を過ごした遊学館(石川)では3年時に甲子園に出場。進んだ創価大では2年生の時に明治神宮大会でベスト8入りした経験を持つ。いずれの段階でもプロ志望届を出したがドラフト指名されることはなく、社会人野球の鷺宮製作所で活躍して、ようやくつかんだプロ入りだけに1軍定着への想いもひとしおだ。
18日のロッテ戦では2イニングに投げて1安打無失点と、上々の実戦デビューを果たした。開幕から岸孝之や田中将大らベテランひしめく楽天の先発ローテに食い込めれば面白い存在となりそう。「期待通りの即戦力。シーズンを通じてどんな活躍をするのか楽しみですね」。五十嵐氏も注目している。
(佐藤直子 / Naoko Sato)