新基準バットで高校野球はどう変わる? 中学球児が準備すべき体作りと用具の選択

神戸国際大付・青木尚龍監督【写真:橋本健吾】
神戸国際大付・青木尚龍監督【写真:橋本健吾】

2024年から金属バットは新基準に…打球速度や飛距離が落ちるとされている

 2024年度から新基準に完全移行する金属バット。これにより高校野球の戦い方も変わる可能性がある。打球速度を抑える“飛ばないバット”に備えて、対策を練っている高校もある。春夏通算8度の甲子園出場を誇る神戸国際大付(兵庫)の青木尚龍監督は「本当に飛ばない」と実感。対策や、中学軟式の選手が高校野球に対応するために準備しておくべきことも語ってくれた。

 新基準バットは現行の最大径67ミリ未満から64ミリ未満に。芯の部分の素材の厚みは約3ミリから約4ミリに変更される。従来より細く厚くなることで打球速度は抑えられるという。金属の反発を生かした打撃で、近年は広い甲子園でも特大弾が多くみられるなど「打高投低」の傾向が顕著だった。

 試作品をチームで試したという青木監督は次のように感想を語る。「本当に飛ばない。以前もバットが重くなったこと(2001年)はあったが、比べ物にならない。こすったような打球のホームランはなくなる。高校野球も変わってくるかもしれない」。

 2022年に新基準バットの導入が正式発表され、移行期間は2年間。「早くから分かっていること。ずっと言い続けているのは身長に関係なく、体を鍛えて強く、大きくすること。細かい野球になってくるかもしれないが、対応はしないといけない」。トレーニングの重要性が今まで以上に問われると考えている。

 また、青木監督はジュニア世代の軟式野球についても言及。より打球が飛ぶとされるウレタン素材などの複合バットの使用について「高校で野球を続けるなら少し考え方を変えた方がいいかもしれない。これから投手のレベルは今以上に上がっていく。木製バットを使うなど準備しておく方がすんなり(高校野球に)入りやすい」と口にする。

 新基準バット導入で“守り勝つ野球”にシフトチェンジしていくのか。用具に順応して従来と変わらぬ豪快な打棒が見られるのか。どのような戦い方になっていくのか注目したい。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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