“野球で人材育成”に猛反対「実際育ってない」 3年で戦力外…元プロが重視する勉学
関メディベースボール学院の代表は2002年ドラ9で近鉄に入団した井戸伸年氏
学生である以上、「野球だけ上手い人間」ではいけない――。兵庫・西宮市にある野球専門校「関メディベースボール学院」が、学業にも力を入れた新たな取り組みを始めた。同校の井戸伸年代表は「野球抜きでも社会で活躍できる人間を作っていく。将来を見据えた生き方を重視したい」と語る。
関メディの中等部はヤングリーグに所属。2021年には中学硬式関西No.1を決める「タイガースカップ」で準優勝を飾るなど好成績を残し、高校球界にも数々の選手を送り出している。“野球専門”と謳っているだけに、昨年までヤクルトでプレーした坂口智隆氏らプロ野球で実績を残した人材を指導者に招くなど、充実した環境が整っている。
一方で、昨年からは神戸大野球部とタッグを組んで学習塾を併設した。現役大学生を講師に招き、子どもたちは練習前にテストや高校受験に向けた勉強に取り組む。野球の月謝に“塾代”がプラスされるため、希望者のみ受け入れている。
「クラブチームとは別に塾に通うことを考えれば、お釣りがくるくらいの価格です。保護者がどれだけ自分たち(子ども)に投資しているか。それを中学生の段階から知っておくことで『恩返ししないといけない』と頑張れる」と井戸氏は強調する。