新年度から始まる部活動の地域移行、人材と財源は? 中学野球の指導員が示すヒントと課題

新年度から始まる部活動の地域移行の人材と財源は?
新年度から始まる部活動の地域移行の人材と財源は?

部活動改革の悩み解消へ 福島県いわき市でパネルディスカッション

 公立中学校の部活動は2023年度から段階的に地域へ移行される。人材や財源の問題に悩む地域が多い中、福島県いわき市で4日、部活動改革のパネルディカッションが開かれた。東京都三鷹市の中学校で5年前から野球部を指導している部活動指導員もパネラーに招かれ、地域移行の現状を紹介。少しずつ改革を進める大切さを訴えた。

 段階的な部活動の地域移行が間近に迫る中、いわき市の野球関係者は仕組みが整っていない現状に危機感を募らせている。野球界と教育界の関係者が集まったパネルディスカッションでは課題を共有し、解決の糸口をつかむ目的があった。

 部活動改革で大半の地域が直面する主な課題の1つが人材の確保。これまで中学校の教員が担っていた役割を外部コーチや部活動指導員らが担う。ただ、部活動は学校教育の一環という考え方が基本にあるため、ただ人数を揃えれば良いわけではない。指導の“質”も求められる。

 もう1つの課題が財源。生徒の指導を任せる外部人材をボランティアで依頼するのは現実的ではない。教育委員会、学校、保護者ら選択肢は複数あるが、指導者の報酬が必要になる。

 パネルディスカッションでは、1つのモデルが示された。パネラーで招かれた家城雅一さんは5年前から、三鷹市にある中学の野球部で部活動指導員をしている。平日の夕方と土日、全ての指導を担当し、練習試合の予定も組んでいる。報酬は教育委員会から支払われている。

 野球部の顧問に就いている教員は平日の部活終了時のミーティングで一言述べる程度で、土日は基本的に休日となっている。家城さんは「私と顧問の先生でお互いできることをやってきました。顧問の先生には生徒の生活指導や授業の準備に専念してもらい、部活の時間は私が生徒と関わることをモットーにしています」と話す。顧問からは生徒の学校生活について報告を受け、部活の指導にも生かしている。

東京・三鷹市の中学では順調に地域移行 野球部は7校全てに部活動指導員

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