プロ野球へ進む選手の共通点は? 名門校の指揮官が間近で見た練習での「確認作業」

神戸国際大付・青木尚龍監督【写真:橋本健吾】
神戸国際大付・青木尚龍監督【写真:橋本健吾】

神戸国際大付・青木監督「メンタルの強さが凄かった」

 プロの目に留まりドラフト指名される選手は、どんな点が他の選手とは違うのか。NPBへ10選手を輩出している兵庫の強豪、神戸国際大付を率いる青木尚龍監督は「下手だから練習するのではなく、今の自分を“確認”していた」と共通点を口にする。

 神戸国際大付は春夏通算8度の甲子園出場を誇り、近鉄、オリックス、ヤクルトで計20年プレーした坂口智隆氏、巨人・平内龍太投手、楽天・小深田大翔内野手ら10人がプロへ羽ばたいていった。投手、野手とポジションは違っても「彼らは常に周りを意識していた。スカウトが来ていれば、ここで活躍してやるというメンタルの強さが凄かった」と振り返る。

 これらの選手はプロのスカウトが視察すると一層集中力が高まり、高い確率で結果を残していたという。「(スカウトらが)見に来る機会は限られている。そこで結果を残すのと残さないのとでは、印象が変わってきますよね。結果を残せば、次もまた見たいとなる。そこは本人たちも分かっていたんじゃないかな」。

 プロへ行くには、高い技術や持って生まれた素質などが必要不可欠。ただ、有望ながらもプロになれなかった選手も見てきた指揮官は「少しの差になってくるが、練習に取り組む姿勢は(10人とは)違った部分もありますね」と語る。

 10人は全体、個人練習を“がむしゃら”に済ませることはなかったという。一つ一つの練習に明確な意図を持ち、取り組んでいた。「自分の課題を確認する練習をやっていた。下手やから練習するのではなく、1日の中で納得や整理をするために。良い感じで1日を終わる確認作業やったかもしれませんね」。

 プロ野球選手のOBが母校を訪ねることで部員の意識も変わってきたそうだ。「頑張れば俺たちもいけるみたいな意識は出てきたと思う。身近に感じるというかね。それも良い伝統になってると思いますよ」。プロという最高峰の舞台に進むには、持って生まれたセンスや能力だけでなく練習姿勢も重要になってくる。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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