“勝利至上主義脱却”で選手増…筒香、森を輩出した強豪チームがリーグ戦を重視するワケ

小、中学生の「調子が悪い」は危険信号…指導者に注意必要

 負けても次の試合があるリーグ戦では、投手の連投を避けて故障のリスクを抑えられる。より多くの選手に出場機会があるため、野球の楽しさを知ったり、才能を開花させたりするチャンスが増える。瀬野代表は様々なプロスポーツとの比較を示し「勝率が拮抗する野球はリーグ戦が向いているスポーツです。トーナメント制は、出場チームの半分は1回しか試合ができません。単純計算すると2回戦を終えた段階で、出場チームの4分の3は試合する機会がなくなってしまうわけです」と語った。

 選手の怪我を防ぐ目的があるリーグ戦だが、瀬野代表は他にも、小、中学生の指導者に気を付けてほしいポイントを挙げた。選手が時々口にする「調子が悪い」という言葉だ。

「成長期の選手が不調と感じる時は、体が大きくなってバランスを崩しているケースがあります。指導者は目の前に試合があると悩むかもしれませんが、子どもたちに怪我をさせないように気を付けてほしいです」

 指導者は試合に勝つため、成長が早く体の大きな選手を起用したくなる。ただ、起用が偏れば負担が大きくなり、最悪の場合、野球を続けられない大きな怪我につながる。一方、出場機会のない選手は野球から離れていく。リーグ戦は、どちらの問題も同時に解決する選択肢となる。

(間淳 / Jun Aida)

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