「ここは出るらしい」 ダルビッシュは部屋移動…青木の一言で勃発した“お化け騒動”
2009年WBCコーチの高代延博氏が当時を回顧…米国で起きた“爆笑騒動”
侍ジャパンが優勝した2009年のワールド・ベースボール・クラシックWBC)準決勝の米国戦、決勝の韓国戦で抑えを務めたのは当時日本ハムのダルビッシュ有投手だ。決勝では9回裏に同点に追いつかれたものの、後続を断って踏ん張り、延長10回表にイチローの2点タイムリーで勝ち越した後、その裏を締めて、頂点に立った。最後の打者から三振を奪い、マウンド上で両手を広げて歓喜の雄叫びを上げたシーンは日本中を感動させたが、そんな右腕がアメリカラウンドで“お化け騒動”に悩まされてホテルの部屋を替えていたという。
この大会で侍ジャパンの内野守備コーチを務めていた高代延博氏が苦笑しながら明かした。「アメリカである時、青木(宣親)が『ここはあるらしいですよ、高代さんの部屋はやばいんじゃないですか』って言い出したんですよ。嘘かホンマかわからないですけど、お化けが出るらしいって」。作り話であっても、そう言われると気になってしまう。そして、この“情報”にさらに敏感に反応したのがダルビッシュだったという。
「僕の隣の部屋がダルだったんですけど、あいつは部屋を変えたみたいなんですよ。ダルが入るはずの部屋に全然知らん人たちがやってきましたからね。5人くらいの家族がね。そうしたら、一晩中ずっと話し声が聞こえてきて、うるさかった。もう勘弁してくれよって思いましたよ」。青木の一言から始まった“お化け騒動”が発端で、寝不足になったという。「にぎやかしでやったのかもわからんけどね。ホント選手はみんな仲良かったですよ」。
アメリカラウンドではイチロー、松坂大輔、城島健司らのメジャー組が何班かに分かれて日本の選手たちを“接待”していたそうだ。「食べて、お酒も入って、野球の話をしていると思います。やっぱりメジャー組の存在は心強かったですね」と高代氏も目を細めながら振り返った。グラウンド内だけでなく、外でも選手たちの絆は日ごとに深まっていったわけだが、それはスタッフも同じだった。