涙の日々…監督からは苦言「それじゃダメ」 侍・牧原が乗り越えてきた“プロの壁”

ソフトバンク・牧原大成【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・牧原大成【写真:藤浦一都】

出場辞退の鈴木誠也に代わって侍ジャパン入り「楽しみ半面、正直不安」

 ソフトバンクの牧原大成内野手がワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本代表「侍ジャパン」に追加招集された。背番号は「5」となる。脇腹を痛めたカブスの鈴木誠也外野手に代わっての代表入りとなり「実感は湧いてないんですけど、楽しみっていう反面、正直不安なところの方が大きいです」と心境を語った。

 誰よりも喜んだのは藤本監督だ。指揮官に就任した昨季、牧原大は規定打席まで残り2打席だったものの打率.301を記録。中堅に二遊間、時には代打の切り札としても活躍し、藤本監督からも「ジョーカー」と名付けられた。牧原大の侍入りを「光栄なこと。日の丸を背負ってやるんだから、思い切ってやればいい」と噛み締めていた。

 まずはソフトバンク球団に、そして藤本監督の耳に「牧原大の招集」の一報が伝えられた。2月28日、チーム宿舎に戻ると牧原大は藤本監督と三笠GMから聞かされた。指揮官は「今すぐ返事せんでええから、1日考えてから返答したらどうや」と時間を与えた。一夜明けた3月1日の朝。「行きます」と覚悟を決めた表情で意思を伝えてきた。

 藤本監督は2011年から2軍打撃コーチとして指導者のキャリアをスタートさせた。同年に育成5位で入団した牧原大とは“同期入団”にあたる。見守ってきた選手が、日本を代表して戦う。そこまでの道のりにあったのは、涙を流しながらバットを振った日々だ。

“同期入団”藤本監督も感慨「本当に彼の努力の賜物」

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