気分転換は「挫折を受け止めてから」 少年野球の子どもに必要な“失敗と向き合う時間”

少年野球の指導者を約20年務める年中夢球さん【写真:伊藤賢汰】
少年野球の指導者を約20年務める年中夢球さん【写真:伊藤賢汰】

年中夢球氏が解説「うれしい、悔しい感情が強い行動につながる」

 なぜ選手のやる気に「差」が出るのか。目標に向かって練習を継続するためには、どうすれば良いのか。学童野球や硬式クラブチームで指導者を約20年務め、選手が成長する親子の距離感などを伝えている年中夢球さんが2月23日、オンラインイベントで徹底解説した。目標設定はタイミングが重要で、大人には選手の挫折を邪魔しないことを求めた。

 指導者として豊富な経験を持つ年中夢球さんは、「ベースボールメンタルコーチ」として選手や保護者をサポートしている。野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」の会員を対象にしたオンラインイベントでは、「選手を変える目標設定」をテーマに講師を務めた。

 まず、選手のやる気に差が出る理由は目標設定にあり、目標に対して意識を強く持てるかどうかが、モチベーションや成長の差に表れると伝えた。「甲子園に絶対行く」という選手には意志があり、「甲子園に行けたら良いな」と考える選手は意思で終わってしまうという。

 モチベーションや努力を継続させるには、目標設定のタイミングが重要になる。いきなり、あすから素振りを毎日100回頑張ると決めても長続きしない。年中夢球さんは目標を立てるタイミングに「成功体験」と「挫折」の2つを挙げる。

「うれしい、悔しいという強い感情が強い行動につながっていきます。何もないところから目標を掲げても感情や思考が弱いので、弱い行動で終わってしまいます」

選手の挫折を“邪魔”しない…指導者と保護者に助言

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