3戦ノーアーチの侍打線 大谷ら“メジャー組頼み”の現状…栗山監督「僕は信じるだけ」
不動の4番「打球が全然上がっていない」悩み
第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に挑む侍ジャパンは、3日にバンテリンドームで行われた壮行試合「カーネクスト 侍ジャパンシリーズ 2023 名古屋」で、昨年セ・リーグ最下位の中日相手に2-7の完敗を喫した。大会ルールで現役メジャーリーガーがいまだ戦列に加われない打線は、ここまでの壮行試合3戦でノーアーチ。迫力不足を打ち破るバッターは現れるのだろうか。
“不動の4番”村上宗隆内野手(ヤクルト)は、4回の第2打席で右前打を放ち、壮行試合3戦目にして初安打をマーク。3日現在、3戦通算8打数1安打(打率.125)3四球となった。「ヒットを打てたことは良かったのですが、まだ全然打球が上がっていませんし、なかなかバットの芯でとらえることができていません」と首をひねる。日本人選手歴代最多のシーズン56本塁打を昨年放ち、常にホームランを期待される酷な立場だが、4番に長打が生まれないうちは、打線全体に勢いがつかない。「角度云々ではなく、自分のスイングができれば、その角度に入ると思う」と本来の“長打の感触”を求めている。
長距離砲では、本塁打王3度の山川穂高内野手(西武)が壮行試合3戦で8打数無安打1四球。2015年本塁打王の山田哲人内野手(ヤクルト)も9打数無安打2四球。ホームランどころかヒットも出ていない状況が気がかりだ。
この日は、大谷翔平投手(エンゼルス)とラーズ・ヌートバー外野手(カージナルス)が練習に合流。週明けには吉田正尚外野手(レッドソックス)、鈴木誠也外野手(カブス)の故障をうけて追加招集された牧原大成内野手(ソフトバンク)も合流し、ついに“30人の侍”全員が顔をそろえることになる。
最後に加わる4人の、WBC本番開幕前の対外試合出場は、6日に阪神、7日にオリックスと対戦する「カーネクスト 2023 WORLD BASEBALL CLASSIC 強化試合」(京セラドーム大阪)の2試合に限られる。大谷や吉田が1発を放ってくれることが、侍打線の現状打開のためであることは間違いない。栗山英樹監督は「彼らに関しては調整というより、“本番合流”みたいなものなので、僕は信じるだけ」と祈るような表情だ。