素振りは「回数を決めない方が良い」 目標がノルマに…専門家が予期する”手抜き”

野球熱が高すぎる保護者は注意、子どもが辞めるパターン多数

 スイングする力をつけるために回数をこなすことは時に必要となるが、数よりも目的を持ってバットを振る方が打力アップの効果は期待できるという。素振り100回をゴールとした場合、逆算して力を加減する可能性が高い。「子どもは60回くらいから、終わりしか考えなくなります。どこかで手を抜きます」と話す。

 これは素振りに限らず、他の練習でも同じ。守備練習のボール回しで「連続50回ノーミス」といったノルマを選手に課すチームがあるが、選手は数に意識が向く。強い球を相手の捕りやすいところに投げる本来の目的を見失ってしまうのだ。

 目標を選手自身が決めることも大切になる。指導者や保護者が設定した時点で、目標ではなくノルマになると指摘する。大人がアドバイスするのは構わないが、選手がノルマと捉えると長続きしない。

 年中夢球さんは自身の子育てを顧みながら「私は長男に言い過ぎて、3人目の子どもの時に間違いに気付きました。長年野球の現場を見ていると、保護者の野球熱が高くなり、子どもの熱は下がって野球を辞めるパターンが多いです」と語った。野球をしているのは選手であり、大人の思いを子どもに託すのは本末転倒と言える。

(First-Pitch編集部)

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