選抜出場の慶応に1点差惜敗 日大藤沢、投打の柱が明かす昨秋の悔いと夏への思い
エース左腕・佐藤快司が意識するのは横浜・杉山遥希
指揮官が、昨秋ベスト4進出の大きな原動力として挙げたのが、佐藤の成長である。1年秋から公式戦の経験を積んできた左腕が、背番号1にふさわしいピッチングを見せた。特に光ったのが、準々決勝の相洋戦だ。球速以上に伸びを感じるストレート(最速135キロ)と、「一番の武器」と語るスライダーのコンビネーションで4安打完封勝利を収めた。
ただ、準決勝の慶応戦では、福井直睦に手痛い3ランを浴びるなど、8回7失点で降板。力の差を感じる結果となった。「相洋戦までは、『自分の力なのかな?』と感じるぐらい出来すぎで、自分を褒めたいと思うんですけど、慶応戦は“あと一歩”、いや、“あと結構”、力が足りませんでした」
なぜ、自らも驚くようなピッチングを見せられたのか。「エースとしての責任感が一番だと思います。練習のときから、チームを勝たせることを第一に考えていました。自分が一番上になってからは、トレーニングも積極的に引っ張る。それが、結果につながったと思います」。
慶応戦で悔やむのが、福井に痛打された場面だ。アウトコースの低めを狙ったストレートが高く浮いてしまった。「甘い球を逃してくれませんでした。あの試合で一番感じたのは、ストレートの球速やキレが全体的に足りなかったこと。冬はストレートを課題に、トレーニングに取り組んできました。体幹の強化と回旋動作を繰り返すことで、ストレートのキレが増した手応えはあります。夏には145キロまで出したいです」。
ライバル視するのは、横浜の左腕・杉山遥希だ。中学3年時に、ボーイズリーグの東東京選抜でチームメートになり、その時から互いをよく知る仲である。「あのときから、すごいピッチャーでした。でも今は、自分が少しずつ追い付いてきたと思っています。夏は決勝で杉山に投げ勝って、甲子園に行きたいです」