選抜出場の慶応に1点差惜敗 日大藤沢、投打の柱が明かす昨秋の悔いと夏への思い
高卒プロを狙う主砲・田上優弥の秋の悔い
昨秋の慶応戦で、最後のバッターとなったのが主砲の田上だった。9回裏1点差、2アウト満塁。サヨナラ勝ちもありうる場面で、ライトフライに終わった。1ボールから外のストレートを2球空振りし、最後はストレートに差し込まれた。「あそこで打てなかったのが自分の弱さです。冷静に考えれば、アウトコースのストレートしかない状況だったのに、いろいろなことを考えてしまいました」。
マウンドにいたのは、右サイドスローの松井喜一。ストレートのシュート回転が強く、満塁の状況を考えればインコース攻めの可能性は低い。また、前の打席で低めのスライダーを拾って、ホームランを打っていただけに、配球を絞りやすい状況ではあった。
慶応側の試合前の見立ては、「田上は変化球を拾う技術を持つが、ストレートに差し込まれる」。前の打席のスライダーは、慶応ベンチからすると「配球ミス」でもあった。
この話を田上本人にぶつけてみると、こんな言葉が返ってきた。「去年の夏が終わってから、ポイントを少し後ろにするようにして、変化球を拾えるようにはなったんですけど、ストレートに差し込まれることが増えた。それもあって、今はポイントを少し前に置くようにしています。あとは、後ろ肩が下がることで高めのストレートに対応できないところがあったので、上から叩く意識を持つ。毎日、家に帰ってからの素振りで確認しています」。