少年野球のカリスマが初めて試合中に泣いたワケ 大人を変えた“子どもの全力プレー”
辻正人監督が涙「ユニホームを脱ぐ日が来たら、この日を思い出す」
疲れた状態でプレーするのは、昨夏に全国大会2回戦で敗退して露呈した持久力を強化して日本一を果たすため。明確な目的を持つ選手たちは一切手を抜かず打って、守って、走る。3日間全力プレーを貫いた。
外野の間を抜く打球を放ったものの一塁ベースを回ったところで足が回らなくなり、這いつくばりながら二塁ベースに手を伸ばした選手もいた。疲労困ぱいの体にムチ打って、ライン際の大飛球をダイビングキャッチした選手もいた。辻監督は、この2つのプレーを見て涙が止まらなかった。チームを指導して35年。試合中に泣いたのは初めてだった。
「これだけ体がしんどい状態でも、選手たちは全力でやっている。選手たちに感動し、感謝しました。ユニホームを脱ぐ日が来たら、この日のことを間違いなく思い出します」
そして、選手たちの姿を見た辻監督には2つの後悔が芽生えた。1つは自分が小学校高学年の時、目の前の選手たちほど全力で1つのことに打ち込んでこなかった後悔。もう1つは今、全力で生きていない後悔だった。
「選手たちの姿を3日間見て、自分の生き方を後悔して反省しました。自分は、選手たちのように全力で生きていないと」