“病み上がり”の149キロ右腕が粘投 不完全燃焼も白星発進「今度はベストの状態で」
東邦・宮國は6回117球を投げて3失点
「第95回記念選抜高校野球大会」第2日が19日、阪神甲子園球場で行われ、第1試合では選抜最多5度の優勝を誇る東邦(愛知)が鳥取城北に6-3で勝利。先発したプロ注目右腕・宮國凌空投手(3年)は本調子ではなかったが、6回117球を投げて4安打4奪三振6四死球3失点(自責2)にまとめ、勝利に導いた。
最速149キロを誇る宮國だが、ストレートは終始130キロ台に留まった。原因は昨秋の愛知大会で故障した右肩だ。神宮大会では登板したものの、その後は今年2月までノースローで調整した。「球数はかかっちゃったんですけど、打たせて取ることができた。変化球を中心に投げました。(出来は)40%くらい」。プロのスカウトも注目している実力を最大限に発揮できなかった。
さらに「普段から(体が)つりやすい」という体質にも悩まされ、4点リードの6回には右肘に違和感を覚え、指先の感覚を失ったという。2死から鳥取城北の5番・河西華槻捕手(3年)に四球を与え、2者連続安打を浴びて満塁に。8番・新庄空投手(3年)、9番・前田拓来内野手(3年)も歩かせ、押し出しで2点を献上した。
その後、失策でさらに失点して1点差に迫られたが、「自分のせいで失点したので、ここは抑えないといけないと思った」と続く打者を三振で仕留めた。大会本部から「『春も足をつることが多いので水分補給はしっかり』と言われていた」という宮國。対策を講じて挑んだが、この回限りでマウンドを下りた。
今年、創立から満100年を迎える東邦。節目の年に通算6度目の選抜制覇を果たして花を添えたい。「1か月程度の調整だったのですけど、1日を大切にして調整しないと今日みたいな結果になってしまう。1日1日を大切にして、今度はベストな状態で試合に出たいと思います」。右腕は次戦の高松商戦に向けて意気込んだ。
(喜岡桜 / Sakura Kioka)