大分商、審判も“謝罪”の珍幕切れで敗戦 指揮官「足りないことがあったからアウト」
選手は呆然も「あれを不満に思ったりだとかはダメ」
甲子園球場で行われている第95回選抜高校野球で、ジャッジに起因する混乱が起きた。19日の第2試合では大分商が作新学院(栃木)に6-8で敗れたが、9回大分商が2点差まで追い上げた時点で、アピールプレーによるアウトで試合が終了した。ただこの際に、作新学院によるアピールよりも先に、二塁塁審が走者のアウトを宣告してしまったことで、審判が「申し訳ありません」とマイクで謝罪する場面があった。
大分商が4-8と4点を追う9回の攻撃、2点を返してなお1死一、二塁という場面、打者が左飛を打ち上げ、ここで二塁を回った一走は二塁ベースを踏まずに一塁へ戻ってしまった。守備側のアピールがあれば一走がアウトになるプレーだが、ここで二塁塁審がアピールの前にアウトを宣告してしまった。
大分商の那賀誠監督が抗議したものの、審判団は「一塁ランナーの帰塁の際、二塁ベースを踏まずに一塁に戻ったとアピールがありました。アピールがある前に、アンパイアがアウトを宣告しました。申し訳ありません。ですので新たにプレーを再開した上で守備側がアピールし、アウトといたします」と場内に説明。本塁付近に整列していた作新学院ナインは一度守備位置に戻り、再度アウトの宣告をやり直した。
那賀監督は試合後「しっかり生徒へルールの把握だとか、課題として夏へ向けて伝えていきます」とした。「僕はああいうプレーが出るとき、自分たちの思うようにいかないことが生きている中ではあるので、あれを不満に思ったりだとか、呑み込めないようではダメだと思う」と、つとめて前向きに話した。
さらに「自分に足りないことがあったからアウトになってるわけなんで。自分に矢印を向けて、人とかタイミングとか環境だとか、ちゃんと自分たちに力が足りてたらあんなことにはならないと、そういう風に教えたいと思います。9イニング精いっぱい戦った中の、いろんな差が出ただけだと思います」と、夏への糧にしていく。
(Full-Count編集部)