不動の4番に「走り打ち」の鬼才も 躍進のキューバを支える6人の“パ・リーグ戦士”
走り打ちのサントスは打率.429の絶好調、元ハム戦士もレギュラー
〇ロエル・サントス外野手(元ロッテ)
2017年の第4回WBCで活躍し、同年のシーズン途中にロッテに入団。打席内で走り出しながらバットに当てて内野安打を生む「走り打ち」や、投球にバットを投げ当てて外野に運ぶ妙技といった、独特な打撃スタイルで日本のファンを沸かせた。成績面では来日から数か月は高打率をキープしていたが、夏場から調子を落とし、最終的には打率.250、OPS.637と本領を発揮しきれず。5盗塁、4盗塁死と投手のクイックにも苦しみ、NPBでの挑戦は1年限りとなった。
今大会では2試合目のイタリア戦でスタメン落ちしたが、3試合目以降はトップバッターに定着。そこから3試合で6安打と水を得た魚のように活躍し、チームも3試合で24得点と息を吹き返した。打率.429、OPS.984と出色の打撃を見せる韋駄天は、2連敗からの巻き返しを果たした最大の立役者の一人となっている。
〇ヤディル・ドレイク外野手(元日本ハム)
キューバからの派遣でNPBに挑戦した上記5選手とは異なり、亡命を経て米国やメキシコでプレーした経験を持つ。2015年のプレミア12ではメキシコ代表としてプレー、日本代表の前田健太投手から2安打を放った。
2017年途中に日本ハムに入団。8月30日には、オランダ代表のエース格として活躍したバンデンハーク(ソフトバンク)から豪快な本塁打を放つ一幕も。しかし、通年では打率.232、OPS.560に終わり、同年限りで日本球界を離れた。今大会は、キューバ代表のレギュラーとして躍動。3試合目のパナマ戦では4打数4安打を記録するなど、打率.412、得点圏打率.667、OPS1.029と大活躍。実力を証明している。
デスパイネ、サントス、ドレイクはレギュラーとして活躍し、モイネロも勝ちパターン継投の一角を担い勝利に貢献。マルティネスも捕手としてチームの状態を上向かせ、グラシアルは少ない出場機会で三塁打を記録している。19日(日本時間20日)に行われる米国との準決勝ではどんなプレーを見せてくれるだろうか。
(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)