邪魔した“甲子園V投手”のプライド「何で俺が」 元プロが頭下げてお茶を売った日

「野球だけじゃなく、何でも経験した方がいい」

 下窪勲製茶は昨年の全国茶品評会で特別賞を受賞したが、まだ1位を獲得したことはない。甲子園に続く日本一の座は、下窪さんにとって「永遠のテーマ」だ。「親父や兄貴を含め、従業員の方たちが土作りをしっかりやってくれている。頑張ればいつかは1位を獲れると思います」。

 お茶の世界でも全国制覇を成し遂げた暁には「どこかのタイミングで野球の指導にも携わってみたい」と話す。投手と野手、サラリーマン、そして家業を通して培った経験は、野球指導だけでなく、セカンドキャリアの参考にもなる。

「野球だけじゃなく、何でも経験した方がいい。自分は社会人(日本通運)時代、トラックに乗って配達もやったし、野球を引退した後は鉄鋼業もやりました。何が何だか分からないところに行っても、教えてくれる人は必ずいる。ずっと野球をやってきたんだから、違う仕事もきっとできると思います」。野球があったからこそ、お茶の世界でも頑張れる自分がいる。下窪さんの挑戦はまだまだ続く。

【写真】現役時代の下窪陽介さん

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