母親は「ウエイトレスではない」 当番廃止で部員倍増…保護者の役割は「子どもの応援」

試合中の飲み物提供に集中する姿に違和感…保護者も楽しめるチームに

 中村さんは、選手の母親たちによる当番制廃止を強く訴えていた1人だ。試合や練習の合間にチームスタッフにお茶やコーヒーを出す母親たちに、ずっと疑問を抱いていたという。

「お母さんたちは飲み物を出すことに集中してしまいます。スタッフは普段、飲み物を自分で買うのに、野球の時だけ出してもらうことに違和感がありました。せっかく試合に来たのであれば、子どもたちを見てほしいですし、応援してほしいです」

 山崎さんも中村さんもチームを運営する立場としては、保護者の手は多い方が助かる面はある。ただ、仕事や他のきょうだいの育児など、それぞれの家庭で事情が異なるため、当番制に否定的な立場を取る。

「お母さんたちは可能な範囲でグラウンドに来て、子どもを大きな声で応援してもらえれば十分です」と中村さん。山崎さんは「保護者が子どもたちと関われるのは少年野球までだと思います。この時間を一緒に過ごして、保護者も楽しんでもらいたいです」と力を込める。

 保護者に特別な役目は必要ない。まして、子どもよりも監督やコーチへの配慮を優先させる理由はない。少年野球の主役は誰なのか、決して見失ってはならない。

(間淳 / Jun Aida)

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