侍の投手陣は「今後メジャーで注目浴びる」 専門家が分析…“最強”米国を抑えられた理由
先制許した直後の2回に放った村上の同点ソロは「ベンチに勇気を与えた本塁打」
今永、戸郷、高橋宏、さらに伊藤大海投手(日本ハム)や大勢投手(巨人)が投じた150キロ台の直球に、米国打線は手を焼いた。ムーキー・ベッツ外野手、マイク・トラウト外野手、トレイ・ターナー内野手ら、メジャーでも超一流とされる打者がタイミングが合わず空振りしたり、ファウルが多かった場面を例に挙げ「NPBのコーチ時代にも日本に来る外国人選手から『140キロ台でも打者の手元でキレがあり、スピード表示以上のスピートを感じる』とよく聞いた。メジャーの一線級の打者が真っすぐに合わせて、それを仕留めきれていない。若い投手陣が臆することなく投げ切ったことは非常に大きかった」と指摘する。
敵地を黙らせた村上の一発も効果的だった。先発した今永がターナーに先制ソロを浴びた直後の2回。5番・村上は初球の148キロ直球を迷わずスイング。右翼席へ飛び込む特大のソロで同点に追いついた。決勝の大一番で“日本の4番”が最高の結果を残した。
前日、メキシコとの準決勝ではサヨナラタイムリーを放っていた主砲の一打に「米国の本塁打攻勢でやられてしまうのか。と思う中で、ターナー以上の本塁打を米国のファンに見せつけ劣勢を挽回した。序盤は他のプレーヤーに引っ張られていたが、きょうは村上が引っ張った。ベンチに勇気を与えた本塁打だったのではないでしょうか」と、賛辞を送った。
3大会ぶりの世界一を手にした侍ジャパン。真っ向勝負で米国に立ち向かい、勝利を勝ち取った姿に新井氏は「世界中の野球ファンを驚かせたと思う。若い選手たちが自分の力を十二分に発揮し、これからもっとメジャー志向の選手は増えてくる。日本野球の未来は明るい。これからも楽しませてくれるはずです」と、大会を振り返っていた。
(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)