小学校低学年の練習に必要な遊びの要素 褒めて育成…工夫凝らしたメニュー
ベースランニングでもカゴ使用…悪いクセを防止
ベースランニングでは選手はバットを持って打席に立ち、スイングしてから走る。外野の間を抜ける打球などをイメージし、長打を放った“疑似体験”を味わう。その際、バッターボックスの近くにカゴを置き、スイング後のバットをカゴの中に入れる。バットを放り投げるクセをつけない狙いがある。
指導の基本は褒めて伸ばす。練習中は若菜監督をはじめ、指導者からは「いいね」「上手くなった」と選手たちを褒める声が上がる。チームでは怒声罵声を禁止し、改善が見られない指導者にはやめてもらうルールがある。若菜監督は褒める指導の狙いを、こう話す。
「野球に限らず、子どもは認めてほしい、褒められたいと思っています。練習で褒められた子どもはうれしくて保護者に伝えるので、保護者も喜びます。親子の関係が良くなる相乗効果があると思っています」
もちろん、低学年といっても甘やかしているわけではない。寒さからポケットに手を入れてキャッチボールをしたり、挨拶を返さなかったりする選手には、理由を説明して指摘する。怒鳴らなくても、選手は納得すれば直すように心掛けるという。
野球が上手くなるために必要な反復練習も、選手を褒めながら大切さを伝えている。若菜監督は「しんどい練習ほど、しっかりと取り組んでいる選手を褒めるようにしています。褒められた子どもはうれしいですし、褒められている選手を見ると自分も頑張ろうと思う子どもが増えます」と話す。
モチベーションを高める指導方法や練習の工夫。大人の言動で子どもたちの成長は変わる。