念願だった履正社の“背番号1” 7回まで無安打投球も…逆転負けで知ったエースの重圧
同級生左腕・増田と切磋琢磨 今春やっと掴めた“エースナンバー”
福田は昨秋まで背番号10番を付けていた。この日8回1死一、二塁の場面からマウンドを託された救援・増田壮投手(3年)が背番号1だった。同じ左腕として入学当時からお互いを意識し、切磋琢磨してきた2人。「ずっと増田が1番を背負っていて、自分はずっと2桁。悔しい思いをしていた」。福田は冬に球速アップを目標に掲げ、ジャンプなどの瞬発力強化のトレーニングや、ランメニューで下半身を鍛え抜いた。
「毎朝早く来て練習をしていたり、昼休みの時間も削ってストレッチしたり、エクササイズをしたり、熱心にしてました」と多田晃監督もその姿を目に入れていた。念願のエースナンバーを勝ち取って臨んだ甲子園だったが、「この甲子園で(背番号)1番を取れて。でも、この結果なんで。自分が1番として勝たせられなかったのが悔しいです」と申し訳なさを滲ませた。
この日は初回に145キロを計測。「スピードがないと上のレベルに行っても勝負にならないので、変化球もスピードアップしないといけないと今日、感じました。夏に向けて時間もないので、できることをやって更なるレベルアップを目指していきたいと思ってます」。再び“エース”として甲子園へ戻ってくる覚悟があった。
(喜岡桜 / Sakura Kioka)