源田を「戻してくれと言うこともできたけど…」 侍熱狂の裏で西武が襲われた“大ピンチ”
万が一の“源田抜き”に備える20歳のホープと24歳のルーキー
源田がWBCで西武を離れている間、オープン戦で遊撃を守ったのは、高卒3年目・20歳の山村崇嘉内野手、大阪ガスからドラフト6位で入団した24歳の新人・児玉亮涼内野手、昨年源田が自打球で骨折し戦列を離れた際、育成選手から昇格して1軍で48試合に出場した19歳のシンデレラボーイ・滝澤夏央内野手、といった顔ぶれだった。
最後の4試合は、児玉と山村が交互にスタメン出場。山村はオープン戦9試合に出場して、打率.269(26打数7安打)、1本塁打、4打点、1盗塁をマーク。児玉は10試合で打率.105(19打数2安打)、2犠打だった。
山村はいまだ1軍公式戦の出場経験がないが、高卒新人だった一昨年、当時2軍監督だった松井監督の下で、いきなりイースタン・リーグ85試合に出場した。松井監督は「彼がプロに入ってきた時からずっと見ていますが、毎年成長できていると思います」と高く評価している。
一方の児玉は、「源田さんが帰ってこられた時、『おめでとうございます』とお伝えしたら、『頑張ってるやん』と言っていただきました」と初々しい笑顔を浮かべる。「源田さんは捕球する位置も、足の運び方も、何がすごいかというより、見ていて全てがすごいです」と脱帽するが、「常に試合に出る準備はしています」と、万が一の“源田抜き”の状況にも備える。
松井監督就任1年目の開幕に、唯一無二の遊撃手は果たして間に合うのか。自身も現役時代に俊足・強打・強肩を兼ね備えた名ショートとして鳴らし、ゴールデングラブ賞にも4度輝いた新指揮官が、いきなり思わぬ試練に襲われている。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)