少年野球は「大人が変わらないとダメ」 強豪中学チームが丸刈りや過度な食育やめたワケ

丸刈りの文化、過度な食育も廃止「指導者じゃなく同じ仲間と思わないといけない」

 丸刈りや過度な食育もなくした。それまでは散髪代を浮かし「少しでも保護者の負担を無くすために」と考えていた。体を大きくするために持参する弁当は「3合」が決まりだったという。

「子どもたちに『なんで丸刈りにする必要があるんですか?』と問われ明確な答えを出せなかった。野球を辞めるきっかけにもなっている。お金をかけてもいいなら『じゃあ、いいやん』と。スポーツをするために一番、大事なのは食事ですが、個々によって体格も食べられる量も違う。無理やり食べさせるのは苦痛でしかない。今は栄養バランスを考えた食事を取ってもらうようにしています」

 野球界には現在も子どもたちに罵声を浴びせる指導方法などが根強く残っている。監督、コーチたちが選手を“支配”し、物が言えない環境のチームは多い。

「大人が変わらないとダメなんです。自分の気持ち、心のやりどころがないから我慢できない。監督と選手が同じユニホームを着るのは野球だけですよね? 指導者ではなく同じ仲間だと思わないといけない。子どもの夢をともに追いかける、それが必要なんだと思います」。野球界の未来を担う子どもたちを育成する、指導者の“質”が問われる時代に入っている。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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